*ブラッシングがもたらす効果*
1.歯周炎を直すことができる!
歯周炎とは、歯と歯肉の境目についたプラークが原因で歯肉が赤く腫れ、出血症状を伴います。放置しておけば歯肉だけの炎症にとどまらず、歯周病へと移行します。
2.初期の虫歯の進行を抑制できる!
ごく初期の虫歯の状態で、歯の表面のエナメル質が溶け始めて白く濁っている状態であれば、ブラッシングを正しく行う事で、自分自身で治す、あるいは進行を抑制することができます。すなわち、プラークのない清潔な状態を保ち、唾液やフッ素による再石灰化を促すことで元の健康な状態に戻すことができます。
3.口臭を防ぐ!
口臭の原となるような物質は、ほとんど細菌が作り出しています。ただし、細菌が自分で口臭を起こす物質を作るのではなくて、私達の身体にある「アミノ酸」といわれるたんぱく質を口臭の原因物質に変化させるのです。細菌がアミノ酸を材料として、硫化水素やメチルカプタンなどのVSCというガスを作り出し、これが口臭となります。
歯周病が進行すると、病原菌から身を守ろうと歯肉の中にはたくさんのタンパク質や白血球が増え、そして口臭が強くなります。したがって丁寧なブラッシングにより清潔な状態が保てれば口臭を防ぐことができます。
また、臭いが発生する場所の多くが、舌背という舌の後方部にあることが分かっていますので、舌を磨くことも大切です。
*自分に合った歯ブラシを選ぶ
適切な歯ブラシは、お口の中の状態により異なります。
一般的にはコンパクトで、普通の硬さ、柄はまっすぐでシンプル・・・などとなります。
しかし、お口の中の状態によっては、軟らかめで、ヘッドの大きいタイプ、音波ブラシ等を選択します。
歯科衛生士と相談し、自分の1本を見つけましょう!
*磨き方*
プラークが残りやすい場所は、歯と歯の間、奥歯の噛む面、歯と歯肉の境目、歯並びがデコボコしている所などです。
その残りやすい場所をいかに捉え、歯ブラシを当てていくかがポイントです。
ここでは、効果良く確実にプラークを落とせる磨き方をご紹介します!
*毛先みがきのコツ*
Point 1 : 歯の面に対して、歯ブラシの毛先を直角に立てる。
Point 2 : 適度な力で歯ブラシを歯面に当てる。
Point 3 : 毛先を適度なストロークで小刻みに動かす(歯の丸みに合わせる)
1.歯面に直角に毛先を当ててこすった時に最も早く確実にプラークを落とすことができます。
2.歯面は曲面の立体であるため、毛先の向きを変えながら歯面に直角に当て続けて磨 くことが大切です。
3.歯の大きさ、歯の並びは人それぞれなので、自分に合った磨き方でブラシの毛先を当てて磨く必要があります。毛先が当たらなければプラークは決して落ちません!
4.磨く部分によって毛先を使い分ける。
ブラシのツマ先やかかと、脇を使うなど、磨く所に応じて当たる毛先を使い分けることがポイントです。
5.順番を決める。
何となく無意識に磨いていると気づいたら同じところばかり磨いていたり、どこを磨いたかわからなくなってしまうことがありませんか?
そうなるとブラッシングにムラがでます。
磨く順番を決め、何度も行ったり来たりせずに、一度でその場所を落とすような気持ちでブラッシングしましょう!
*補助的清掃用具を併用する*
デンタルフロス、歯間ブラシ、タフトブラシ等を併用することにより、歯ブラシだけでは落とすことができない部分をケアすることができます。
1.デンタルフロス(糸巻きタイプ)
1)1回分の長さ、約40cmに切る(指先からひじまでの長さが約40cmです)
2)切ったデンタルフロスを片方の中指に2~3回巻きつけます。巻きつけた後、もう片方の中指に残りの部分を外れないように巻きつけます。その時、両手の間隔が10~15cmぐらいになるようにします。
3)両手の親指、人差し指で糸をつまんで操作していきます。
デンタルフロスを、歯の側面をこするようにして前後上下に動かし、歯の側面を清掃します。同じことを、その隣の歯の側面でも行ってください。
4)デンタルフロスの抜き方は、入れた時の逆になるようにゆっくりと抜いて下さい。もし上手く抜けない場合は、力任せに外そうとせずに片方の指からフロスをはずして、ゆっくりと前から引き抜いて下さい。
5)1ヶ所の歯と歯の間の清掃を終え、次の歯の清掃を行う時には、使用した部分をズラして、新しい部分で同じ操作を繰り返しましょう!
2.歯間ブラシ
1)サイズを決める(サイズは一般的に5種類あります)
人によって合うサイズが異なりますので、歯科衛生士にご相談ください。
2)歯と歯の隙間に挿入する。
ゆっくりと挿入し、隙間が狭くて通りにくい所は無理に通さなくても大丈夫です。
3)挿入したら前後に数回動かします。
4)その後、歯の側面に沿わせながら前後に動かします。
5)もう片方の側面に沿わせるようにして前後に動かします。
3.タフトブラシ
タフトブラシとは、毛先が小さくカットされており、円錐の形をしているのが特徴です。
歯と歯の間や、段違いの歯の間、ブリッジの下、奥歯の裏側、乳歯など狭くて入りにくい部分の清掃に有効です。
通常の歯ブラシでは届きにくい所も毛先が届き、矯正治療中やインプラント治療中の方にもお勧めです!
1)持ち方は歯ブラシと同じペングリップで持つと操作がし易いです!
2)歯と歯の間を磨くときは凸部を間に当てて動かします。
3)歯と歯肉の境目を磨くときは毛先を境目に当てて、なぞるように動かします。
*交換時期*
毛先が広がってしまった歯ブラシは、ブラシを当ててもプラークが捉えきれず、プラークを確実に落とすことはできません。
毛先が1mm広がることで20%プラークの除去率が下がります。
衛生面でも長期使用はあまりお勧めできません。
1ヵ月に1本の交換をお勧めします!
*まとめ*
毎日する歯みがきだからこそ、しっかりと技術を習得し確実なブラッシングを行う事で虫歯、歯肉炎、歯周病を予防していきましょう!
日々のブラッシングこそが、お口の健康維持につながります!