歯科衛生士

PMTCについて

厚生省の調査では、毎日歯を磨く人は国民の96.2%。こんなにきれい好きの国民も珍しいのです。ではどこに問題があるのでしょうか?

それは歯磨きでは、細かい所についた汚れを100%落とすことは不可能だからです。

たとえば、予防のプロである歯科衛生士でも、歯ブラシで20分以上時間をかけて丁寧に磨かなければ、細かいところの汚れまで落とすことはできません。ですから通常は、磨き残しが生じ、その結果虫歯や歯周病になってしまう人が多いのです。

PMTCとは

PMTCとは、P(プロフェッショナル)、M(メカニカル)、T(トゥース)、C(クリーニング)。すなわち「専門家が専門の機械を使って行う本格的な歯の清掃」です。歯のプロである歯科衛生士や歯科医師が、高度な技術で歯と歯の間、歯と歯肉の境目、歯の細かい溝についた汚れを完全に落としてキレイにします。そのため定期的にPMTCを受けると、虫歯や歯周病になりにくくなるという効果があります。

PMTCの発祥の地であるスウェーデンですが、昭和30年頃までは日本と同じくらい虫歯や歯周病が多い国でした。ところが現在では、虫歯は日本の半分以下。歯周病は1/4以下となっており、その背景にはPMTCの普及があると言われています。定期的にPMTCを受ける子供はほぼ100%、大人でも80%と言われています。このように国民の大半がPMTCを定期的に受けるようになったので虫歯や歯周病を減らすことができるようになったと言うわけです。

一方日本では、厚生労働省が国民の健康目標「健康日本21」が2000年に発表されそこには「定期的な歯石除去や歯の清掃を受けている者」の割合を2010年には30%にしようとの目標が掲げられています。発表当時の値は15.9%、2012年には43.2%まで上がってきています。目標は達成されていますが、ただそれでも半分までも届きません。

8020運動

8020運動と言う言葉を聞いたことがある方もいらっしゃると思います。日本では現在達成できている人は20%と言われており、平均生存歯数は9本(28本中)で先進国では最低です。

定期的にPMTCを受けることで生涯自分の歯で過ごすことが可能となります。また現在歯が無くなっている人もこれ以上歯が無くならないこと、歯や歯肉が丈夫になることでQOL(生活の質)が上がることと思います。