顎咬合学会2023
本日から、東京国際フォーラムで2023年 第41回日本顎咬合学会学術大会が開催されます。
「顎関節症の運動療法とガムトレーニングの実際」についてテーブルクリニックで講演するため、島田淳は本日は休診となります。
顎関節症の運動療法とガムトレーニングの実際
医療法人社団グリーンデンタルクリニック 島田淳
Exercise therapy for TMD and actual practice of gum training
顎関節症は、基本的に顎関節、咀嚼筋など運動器の機能障害であり、そこには心理社会的要因が関連していることが多い。現在、運動器の機能障害において、安静が組織の廃用萎縮を引き起こし、症状を慢性化することが知られており、治療の第一選択は運動療法となっている。これは顎関節症においても同様であり運動療法が有効となる。一方、顎関節症は、口腔機能発達不全症、口腔機能低下症と同じ口腔機能障害として考えられ、成人期の顎関節症患者の舌圧、口唇閉鎖力を測定すると、標準値を下回るものが多くみられることから、根底にある口腔機能の問題に、ストレスなどによる交感神経の緊張が顎関節症の発症に関係している症例があるのではないかと考えられる。つまり顎関節症の運動療法を行うにあたっては、これらの考え方を理解した上で咀嚼筋、顎関節の機能改善だけでなく、舌圧を含めた総合的な口腔機能の改善を図ることが必要となってくると思われる。そこで演者は、顎関節症の運動療法として「あいうべ体操」「自己牽引療法」「関節円板整位運動」「関節可動域訓練」「徒手的顎関節授動術」などを病態により使い分けているが、顎関節症で、舌圧、口唇閉鎖力の値が低い者に関しては、口腔機能の改善を考え、さらにガムトレーニングを用いている。今回は病態を考慮した顎関節症の運動療法についての考え方と実際の手技、指導法などについて解説する。