増えている顎関節症

顎関節症の代表的な症状は、「あごが痛む(顎関節痛)」・「口が開かない(開口障害)」・「あごを動かすと音がする(顎関節雑音)」の三つで、このうち一つ以上の症状があり、鑑別診断で他の疾患がない病態を「顎関節症」といいます。

顎関節症

近年、顎関節症は増えているといわれています。ただ一方で顎関節症は自然に治るとも言われています。顎関節症をきちんと勉強している先生が少ないのが日本の現状です。当クリニックでは、大学病院で顎関節症の専門外来で勤務していた、顎関節学会専門医・指導医が診察いたします。

以前、顎関節症の原因はかみ合わせと言われていました。しかし現在では、かみ合わせはもちろん大事ですが、日常生活でのストレス、姿勢、かみしめ、歯ぎしりなど多くの要因が重なって症状として現れるという多因子が原因であるとされています。これらが積み木のように重なっていき、個人の頬範囲を超えると症状として現れるといわれています。

一番の原因

今一番の原因と言われているのは、かみしめる癖(Tooth Contacting Habit)、すなわちTCHです。一日のうちで歯が上下接触している時間はどれくらいかご存知でしょうか?いろいろな研究から、大体一日20分程度と言われています。驚いた方も多いかと思います。

ただこれは癖になっている場合が多いので自分では気づいていない場合も多いです。上下の歯が当たっているということは、口を閉じる筋肉がずっと緊張しているわけですし、歯も常に刺激されていますので、人によっては顎が痛くなりますし、人によっては歯が痛くなります。

歯を削る前にやれること

ただ日本では、保険制度の関係で安易に歯を削る傾向がありますし、またかみ合わせですべてを治そうとする先生もいます。すべてが悪いとは言えませんが、歯は削ればもとには戻りません。削る前に、やれることがあります。顎関節症には、まず保存療法(後戻りできる治療)というのは世界的な傾向です。

上記しましたように積み木を少しずつ減らしていくことで、人本来の自然治癒能力を助けることもできます。逆に削ることで悪くなることもあります。積み木を減らしつつ、かみ合わせの変化を見ながら、本当に必要な時にかみ合わせを治すことが必要です。

顎関節症について」という項目を別に作りましたのでそちらも参考にしてください。

詳しくは何でもご相談ください。

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